アニメマンガ好き

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携帯メールをモチーフにした新海誠のSF。広大な宇宙に引き裂かれていく少年少女「ほしのこえ」

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概要

言の葉の庭が思っていたよりとてもいい作品だったので新海誠の別作品である「ほしのこえ」も見てみました
こちらも素晴らしい作品でした

 

ストーリー

今より宇宙が身近にある世界
人類はタルシス遺跡と呼ばれる遺跡を発見するが、突然現れた謎の生命体によって攻撃される
危機感を持った人類は、謎の生命体タルシアンに対抗するロボットを開発する
 
同じ学校に通う中学三年生のノボルと美加子
同じ高校に通って今までどおり一緒にいられると思っていたノボルだったが、突如美加子からタルシアンと戦うロボットのオペレーターとして選抜メンバーに選ばれたことを告げられる
 
宇宙に旅立った美加子と地上で待ち続けるノボル
距離が離れれば離れるほど届く時間が長くなる携帯メールだけが二人をつなぐ絆となった
美加子は不安で押しつぶされそうになりながらもノボルに携帯メールを送信し続ける
どんどん届くまでの時間が長くなるメールに、かすかな希望を乗せて
 
タルシアンとの交戦ののちにたどり着いた星で、届くまで8年以上かかるメールを送信する美加子
15歳の美加子から24歳のノボルへ届けられるメール
「わたしはここにいるよ」
 

感想

新海誠のフリーになって最初の作品
昔の作品ということもあり背景はとても綺麗ですが、正直キャラクターデザインはそれほどうまくはありません
それでもとても素晴らしい作品です
少年少女の携帯メールのやり取りというただそれだけのことをこれだけ壮大に描ける新海先生の感性や創造力はすごいとしか言いようがありません
宇宙、戦争、時間、距離を巻き込み壮大な物語をたった25分のアニメに形成しています
 
どんどん届くまでが長くなっていくメールに待つことをやめようとして、それでも美加子への気持ちは変えられなくて苦しむノボルと、もう二度と帰れないかもしれないと不安で押しつぶされそうになりながらもノボルとのメールのつながりが唯一の心の支えになっている美加子の心の描写が素晴らしいですね
 
また、あまりSFを見ない方には馴染みがないかもしれませんが、本作品は距離が離れることだけではなく光速に近い速度で移動することによる二人の時間のズレも大きなポイントです
美加子は、たとえ最後まで生き残って地球に帰ってこれたとしてもノボルとともに歩むことはできないのです
よく意味がわからない人は奏光のストレインというアニメを見ればなんとなくわかります
 
SFってハッピーエンドにならないイメージがあるのであまり好きではないです
この作品もハッピーエンドとは言えません
でも、これだけ心の機微を繊細に、切なく、美しく描かれたアニメはそうありません
アニメ好きもそうじゃない人も一度は見るべき作品だと思います
 

情報

第1回新世紀東京国際アニメフェア21公募部門で優秀賞を受賞
その他多数の賞を受賞した名作
25分のアニメ
2002年の新海誠作品
SF、恋愛、宇宙、ロボット、切ない、新海誠作品