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浦沢直樹さんの昔の作品・民間宇宙飛行を夢見るおじさんのストーリーと短編集「N・A・S・A」感想

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概要

20世紀少年やMASTERキートン、YAWARAなど数々の作品を世に送り出した浦沢直樹さんの初期の頃の短編集「N・A・S・A」
 
かなり古い短編集ですが、随所に浦沢さんの良さが出ているのでファンなら一読の価値はあります

ナサ―浦沢直樹短編集 (ビッグコミックス)

 

ストーリー

会社で働きながら近所でマラソンおじさんと呼ばれているほど走り込み身体を鍛えている野村と、顔なじみの工藤
ともに民間ベースのロケットを作る計画を書いた民間宇宙航法論という本を元に宇宙に飛び立つことを目指す
 
民間宇宙航法論の作者の神田妻三郎に協力を仰ごうとするが断られる
事情を聞くと、エンジンのテストで息子が死んだという
 
しかしあきらめきれない野村は、神田の想い人と思われる女性に接触し仲人を買ってでるが、二人は夫婦だという
死んだ息子の件でお互いに後悔しながらも会いに行けずにいた
その仲と取り持ち神田の協力を得ることに成功
 
エンジンも見つかり計画は順調と思われたが、エンジンを見つけた廃材屋の三波がロケットには自分を乗せろと言う
神田や工藤はそれに難色を示すも野村が承諾
二度目の飛行でもとにかく飛べればいいと野村
 
最初はロケットに乗る気満々だった三波だが、野村のハードなトレーニングやエンジンが直っていくのを見ていくうちに心が変わっていく
エンジンテストに成功した後、三波は野村に打ち明ける
女房も子供もいる自分にはロケットに乗れない、ロケットを飛ばすのと同じくらいあいつらが好きだと
しっかり飛んで土産話を聞かせてくれといって三波は野村にロケットの搭乗を譲ることを決める
 

感想

そのほかにも銀行強盗をしようとしたら銀行がちょうど閉まってしまい強盗ができずに終わった話
銀行強盗の逃走に鉢合わせてしまい逃走に協力するサラリーマンの話
戦争で使われたロボットと仲良くなった少年の話など
ギャグからシリアスまで10の短編が収録されています
 
浦沢直樹さんは昔からなかなか味のあるものを描いていたんだなという印象です
短編ですが宇宙やロボットなどのSFはこのころから得意だったのでしょう
さすがです
 
また、いかにもサラリーマンといったキャラクターの描き方、動かし方がすごく上手でギャグにもサラリーマンが出てくることが多いですね
 
若いときに描いた作品でも読みやすくて良質な短編でした
これだけいろんな分野の話を作れるというだけでも浦沢直樹さんの多才さがよく分かります
 
浦沢直樹さんの作品が好きならおすすめです
 

情報

全1巻(完結済)
BIGCOMICS(小学館)の少年漫画
コミックは1988年が初版、短編の雑誌での掲載時期は不明
短編集、浦沢直樹、幅広い分野、宇宙、ロボット